日本最大級のリゾート施設「VISON(ヴィソン)」に行ってきました

VISON(ヴィソン)について
ワクテナブル(ワクワク×サステナブル)を体験すべく実施しているワクテナフィールドワーク。今回お邪魔したのは三重県の真ん中、多気町にあるリゾート施設「VISON(ヴィソン)」です。
VISONは2021年に開業した、日本最大級の商業リゾート施設。SDGs推進を核に地方創生を手掛け、SDGsへの多様な取り組みに加え、最先端のテクノロジーが総合的に体験できます。
エイムクリエイツと業務提携をしている住友林業がホテル開発・運営に初めて参画した施設でもあり、産官学連携の地域活性化事業、植林によるカーボン・オフセットや食品ロスの取組など多角的な取り組みが見どころとなっています。
VISON(ヴィソン)
見学ツアー
今回の視察ではプロパティマネジメントを手掛けるJLLリテールマネジメントの長岡様より、VISONの施設全体をご案内いただきました。
マルシェヴィソン~スイーツヴィレッジ
はじめにご案内いただいたのは、大屋根が特徴的な産直市場「マルシェヴィソン」。地元多気町をはじめ、三重県の美味しいものを集めたエリアです。
大屋根は三重県を代表する、伊勢神宮の鳥居をオマージュしているそう。木をふんだんに使い、式年遷宮をモデルに定期的に木を張り替えることで100年続く施設を目指しています。
マルシェでは色とりどりの野菜や果物が並び、見ているだけでも楽しい雰囲気。生産者と買い手をつなぐ場所として、将来的には豊洲市場のように、三重を中心に関西、関東からプロが買い付けにくるマルシェとなればいいな、とのこと。地域資源の発信だけでなく、この場所を新しい地域の魅力とする意気込みを感じました。
さらにマルシェ内の市場カフェ「マーケテリア」では、マルシェヴィソンで売れ残った食材や、ふぞろい、規格外であるがために流通しない食材を利用し食品ロス削減に積極的に取り組んでいるそうです。
パティシエ辻󠄀口氏がプロデュースする「スウィーツヴィレッジ」エリア。 ビニールハウスでは、カカオの温室栽培をしています。「日本のチョコレートは、日本のカカオで」とのこと。世界的なカカオ需要の高まりを受け、日本国内での栽培・実用化に向けて研究を進めているそうです。
カカオの育つビニールハウスの隣にはひっそりとショコラティエの入り口が。 隠された入り口のようでワクワクしますね!
サンセバスチャン通り
世界一の美食の街、スペイン・サンセバスチャン市と「美食を通じた友好の証」を締結した多気町。VISONもその締結に一役担ったそう。
友好の証を記念して「サンセバスチャン通り」と名付けられたこのエリアには、サンセバスチャン市で人気のバル3店舗が日本初出店しています。視察メンバーもそのうちの1店舗「Zazpi」にお邪魔しました。
前菜から始まるコース料理は、見た目にも美味しく、小粋なトーク?でみんなとワイワイとした時間を過ごすことができました。「この通りは、バルをハシゴしてもらうイメージで3店舗を連ねています」とお聞きしていたのですが、美味しいお酒もこちらでいただき、今回はこちらの店舗でお開きとなりました。次こそはハシゴをして楽しみたいと思います。
サンセバスチャン通りにある店舗の2階は、宿泊施設「旅籠ヴィソン」の客室となっており、各棟の1階に入居するクリエイターの関わるテナントが、2階の客室をプロデュースしています。
筆者は「D&DEPARTMENT」がインテリアセレクトを手掛けたお部屋へ宿泊しました。D&DEPARTMENTは、長く作られ、使われ続ける「ロングライフデザイン」をテーマとし、「地域の個性」と「息の長いその土地らしいデザイン」を全国へ向けて発信するストア。インテリアの一部は1階のショップで販売しており、ただお店を訪れるよりも、よりプロダクトに興味を惹かれる気分でした。


和ヴィソン・木育
様々な飲食店や物販店舗が建ち並ぶ中に、ひときわ目立つエリアが。建物からも、どこかしら「和」を感じることができるかと思うのですが、鰹節、昆布、味噌、醤油、みりん、酢などの日本料理の基本となる調味料の専門店が集う「和ヴィソン」エリアです。
三重県産の地のモノだけではなく、「本当に良いと思うもの」を選びぬき、VISONに出店頂いているそうです。


そして、和ヴィソンエリアを抜けたところにある、木育エリア「kiondo(キオンド)」。木や森をテーマとした体験・体感型施設ということで、17時頃にお邪魔したのですが、お子さんが帰りたくなさそうに、木と触れて遊んでいらっしゃいました。子供から大人までが楽しめるワークショップもあるようで、次回はぜひ体験してみたいと思います!


これからのヴィソン
広大な敷地を活用し、「葡萄の木」を植え、VISON WINEなんていう計画もあるとのこと。この大自然の中で育った葡萄から作られたワイン、想像するだけで美味しそうです。
また、VISONは名古屋駅やセントレアと伊勢神宮の途中に位置しているので、今後はインバウンドの取り込みも視野に入れているのだとか。
施設内にあるMAPも以前は日本語、英語表記のみでしたが、今後、アジア観光客の増加が見込めることから中国語、韓国語表記も追加したそうです。様々な国々の人が訪れる施設となると、より賑わいのあるVISONになりそうですね!
今回ご案内いただいた 長岡 敏さんからのコメント
(JLLリテールマネジメント株式会社/VISON プロパティマネジメントチーム)
ご来場いただき、ありがとうございました。VISONでは、無名であっても専門性が高く、唯一無二の「こだわりの名店」に出店していただいており、ナショナルチェーンやコンビニエンスストア、自動販売機は設置していません。また、建物は伊勢神宮の式年遷宮を手本に、木材をふんだんに用い、地元の大工さんと共に木を張り替えながら使い続けていくなど、地域の皆様と共につくりあげていくサステナブルな新しい地方創生モデルをめざしています。これからも、100年先までも伝えたい日本が誇る「食」や食文化が集結する施設に、また、エイムクリエイツの皆様が、再びVISONを訪れたいと思っていただけるような施設にしていきたいと考えています。
参加者の声・担当者コメント
・「地方創生」とはどういうことかを、自分の目で見て、体感したく参加しました。今がゴール(完成形)ではなく、まだまだ進化しつづける施設を見て、これからのVISONがとても楽しみだと感じました。
・実際に現地に足を運び、体感することで、情報だけではわからないことを見たりすることができ、とても良い機会でした。VISONに御出店されている各テナント様のこだわりを感じられたこと。また、広大な敷地内を実験場とし、開発を進めていかれる今後がとても楽しみです。
コラム担当者
酒井 理咲子(開発プロデュース部)・岩田 寛史(プロダクト部)
今回は初の宿泊見学ツアーということで、ホテル ヴィソンにもお邪魔しました。ホテルの窓からは施設全体が見渡せるロケーションとなっており、大自然の中で朝日を浴びながら目覚めることができました(心も身体もスッキリ)。
人の基本となる「食」を通じて、広大な土地に様々な店舗を配置しているので、まるで「大きなひとつの村」のよう。参加者の方のコメントにもありましたが、広大な敷地内を実験場として、開発を進めているVISON。今後、どのような取り組みをされるのか、私達も注目していきたいと思います。