ワクテナコラム#3 「川崎バイオマス発電所」見学ツアーに行ってきました

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「川崎バイオマス発電所」見学ツアー に行ってきました!

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「川崎バイオマス発電所」見学ツアー に行ってきました!

今回はエイムクリエイツ社内公募にて選出されたメンバー8名と、丸井グループで統合ビルマネジメント事業を行っている、マルイファシリティーズからも2名が参加し、川崎バイオマス発電所の見学に行ってきました。

川崎バイオマス発電所について

住友林業の関連会社である川崎バイオマス発電株式会社。
エイムクリエイツは2019年に住友林業と業務提携し、内装事業を中心とした木質化を推進するなか、モノづくりの先にあるリサイクルについても知識を深めたいという思いで今回の見学を実施することになりました。
川崎バイオマス発電は木質燃料を利用するバイオマス専焼の発電設備としては国内最大級かつ国内初の都市型バイオマス発電所で2011年より稼働しており、隣接する燃料チップを製造する会社と一体で事業運営しています。

川崎バイオマス発電事業の運営は以下の2社で行っています。
・川崎バイオマス発電株式会社(発電所の運営)
・ジャパンバイオエナジー株式会社(燃料チップの製造)

川崎バイオマス発電株式会社HPはこちら
ジャパンバイオエナジー株式会社HPはこちら


エイムクリエイツが出展した、SCビジネスフェア2023で使用した接客テーブルの一部はジャパンバイオエナジーにて燃料化され、川崎バイオマス発電で電気としてリサイクルされました。
SCビジネスフェア2023 エイムクリエイツブースの詳細はこちら

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見学ツアー

挨拶・事業紹介

●バイオマス発電とは?
動植物などの生物からつくり出されるエネルギー資源の内、石油、石炭などの化石燃料を除いた生物資源を燃料として発電すること。

●発電の仕組み
燃料を燃焼させ水から蒸気を発生させその圧力でタービン回転させることで発電させています。

●なぜCO2フリー電気?
バイオマス燃料は燃料時にCO2が排出されますが、樹木が吸収していた炭素が大気中に戻るだけなので、 大気中のCO2濃度には影響はありません。
このことから、CO2フリー電気として認められているそうです。 化石燃料使用時と比べ年間約12万トンものCO2削減効果もあるのだとか!

●発電規模
発電規模は常時33,000kwで、国内で調達されたバイオマス燃料のみの発電施設としては国内最大級。この発電量は38,000世帯の電気が賄えるそうです。すごい!
発電規模は化石燃料にはかないませんが、太陽光よりも効率的に電気を生産します。

●電気生産効率
太陽光(20%)くバイオマス発電(38%)く天然ガス(60%)
また、都市部で発生した建築廃材や伐採枝の多くは焼却処分されていましたが、これを燃料に加工し、熱エネルギーとして再利用し(サーマルリサイクル)電気として還元していくことから、都市部のエネルギーの地産地消にもなっています。


チップ工場見学

燃料となる木材は主に住宅等の解体現場から出てくる建築廃材ですが、倉庫から出てくる廃パレットや道路や公園などから出てくる伐採樹木(剪定枝)もあり協力業者さんがトラックで持ち込まれます。
廃材はトラックごと地面に設置された計量器(トラックスケール)で計量できる仕組みになっていて、ジャパンバイオエナジーへ送られていきます。 燃料のもとになる材料は廃棄物として処理料をもらって引き取りを行います。

資源は計量器上でトラックごと計量。

見学中にも大量のトラック列が計量の順番を待っています

工場内には建築廃材や剪定枝以外にも、運搬で使われる木製パレットが多くありました



工場内には粉砕前の大量の受け入れ廃材がありました。
持ち込まれた廃材の中には、釘や金物などの木材以外の物もありますが、一度まとめて破砕。 その先の磁選機で磁力を用いて木材とそれ以外のものと分別を行います。

分別された鉄類。これらは別のリサイクル業者に有価で引き取ってもらうので全て資源化。

発電所見学

燃料は主に木材由来の建築廃材ですが、公園などで出た伐採、剪定枝由来のものやコーヒーかすや大豆かすもあります。
これらの燃料はすべて有価で購入します。
倉庫は約10日分の燃料を貯蔵することが可能。大規模です。 燃料チップは年間18万トンもの量が消費され、電気に生まれ変わっています。

燃料に加工されたウッドチップが運び込まれる倉庫。

この量で2.5日分です。大人一人と比べるとより量の多さがわかります。

 

ウッドチップの一個一個は想像より大きいサイズ。

2種類の燃料。奥がコーヒーの搾りかす、手前が大豆の搾りかす。

それぞれ水分の含有量が違い、ウッドチップ:30% 大豆かす:50% コーヒーかす:60%となっているそうです。



最後に発電所内の見学もしました!
燃料に加工されたチップは、常時800~900℃になる様にボイラーで燃焼され、水から蒸気を発生させタービンに送られることで発電します。
発電と同時に、燃焼時に発生する有害物質である、窒素酸化物・硫黄酸化物・排ガス中のダストらを、排煙脱硝装置・排煙脱硫装置・バグフィルタと呼ばれる3種類の環境設備でクリーン化。
発電所の煙突から出ているのはキレイな水蒸気です。さらに燃焼時に出た灰は、セメント会社などに渡り再利用されます。 廃材資源・分別鉄類・燃焼灰のほとんどがリサイクルされ、本当に余すところなしだとわかりました。

発電所の核となるボイラー・3種類の除去装置

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バグフィルタ装置を間近で見学

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硫黄酸化物(SOX)を中和する過程で発生した水蒸気を、煙突から放出

川崎バイオマス発電(株) 中井さまよりコメント

当発電所はリサイクル燃料に拘ったバイオマス発電所です。
熱心にお話を聞いていただきありがとうございました。 今後、何かの接点が見いだせたらいいなと思っています。

参加者の声・担当者コメント

マルイファシリティーズ エコビジネス開発部 倉内さん
川崎のバイオマス発電はたった15人で事故なく運営され、説明される姿から仕事に誇りを持ってされている事を感じました。 ヘルメットには名前と血液型が書いてあり、「事故に遭った際にすぐに誰かわかるためだ」との事。まさに命懸けの作業であると思いました。エネルギーの地産地消で、循環型社会を限界まで意識した発電所だと感じました!

マルイファシリティーズ エコビジネス開発部 諏訪
これまで電力の仕事を1年やってきたが、バイオマス発電所は初めての見学だったのでとても勉強になった。 昨今、バイオマス発電所は燃料不足が課題という認識でしたが、3社での合同出資ということで、燃料が潤沢にあることを伺い、素晴らしい取り組みと思いました。 弊社で保有をすすめている太陽光発電との運転効率やコスト感の違いも知ることができてよかったです!

プロダクト3部 藤平さん
廃材を資源化するには、徹底した分別、更にそこからの釘や不純物の除去など、作業がものすごく大変だと感じました。有価で買い取ったものでしか出来ないということも興味深かったです。 店舗撤退時の残什器等は、什器のままリサイクルする水平リサイクル的なアプローチの方が適しているのかもしれません。
正直、私が担当しているサインの制作物は塩ビ、アクリル、金物が主な材料でできており、木材の使用がほぼなく石油系の素材が多いのが現状です。何か重なる部分を探して行ければ良いと思います。

プロダクト3部 岩田さん
人の温もりを感じにくい、金属剥き出しの工場系は個人的に実は苦手で(笑)
今回も足を踏み入れる瞬間は「ちょっと怖いな…不安」という第一印象でした。
ところが、一通り見学を終えたあとの感想は、「物凄くエコでクリーン!」と感激。煙突から出ている水蒸気も有害物質が除去され、クリーンだったなんて、想像もつきませんでした。見た目だけで色々なことを判断してはいけないな、と改めて感じさせられた見学ツアーでした。
部署やグループの枠を超えた参加者の方々も、積極的に質疑やコミュニケーションを取られる様子も見られとても優位意義な時間を過ごさせていただいたかと思います。川崎バイオマス発電所の皆様、ありがとうございました!

担当者コメント
建築廃材を利用した発電な上に、工程上で発生する鉄類の再資源化や大気汚染をしないための 汚染物質除去装置など、無骨な工場から生産されるものとは思えないクリーンさ! そして余すことなく使い切ることで無駄なくエネルギー化していることに驚き! 原子力や火力発電に頼らず、すべての電力が太陽光やバイオマスなどのクリーンな エネルギーに置き換わっていくことで将来世代に貴重な資源を残すことが今を生きる私たちの 課題であることを再認識させられる見学をさせていただきました。 小さいことからでも、一人ひとりが自分のできる「地球に優しい」を実現できれば良いなと思います。 皆様の気づきにつながった大変貴重な実りある見学ツアーとなりました!
最後までお読みいただきありがとうございました!

コラム担当:デザイン部 福原


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