ゴミの分別・リサイクルとES向上をデザインの力で推進

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ゴミの分別・リサイクルとES向上をデザインの力で推進

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ゴミの分別・リサイクルとES向上をデザインの力で推進

概要

ノクティプラザ2ビルの地下にあるゴミ置き場。 施設のゴミ処理機能と設備、廃棄システムの運用変更に合わせ、庫内の環境改善を行いました。

実施に至った経緯

クライアントは施設の運営会社。リサイクル率の向上と廃棄コスト削減のために新規システムの導入など運用の変更・改善を計画。ゴミ庫内のメンテナンス中心というスタートで、最初は照明追加と床壁等の塗装の依頼でしたが、働く従業員の方々が面倒なゴミ捨て作業を、わかりやすく、少しでも楽しんでいただけるような場所にしたいと考え、提案を行ったところ実現に至りました。

取り組みのポイント① コンセプトの共有:視点を変えることで新たな価値を創る

商業施設の後方機能の中でもゴミ置き場は、薄暗く匂いを含め使う人の快適度は低い空間でした。
また、「ただゴミを捨てに行く場所」という固定概念は視点を変えて見ることにより、リサイクルを促進することで「環境にやさしい」を生み出す場として、新たな価値が生まれるのではないかと考え、「リサイクルをすることが楽しくなる空間」をコンセプトとしました。
また、このコンセプトを実際に利用する従業員の方々と共有することが大切だと考え、エコを生み出す工場「エコファクトリー」と名づけてロゴを作成し、場のキャラクター化を提案しました。
ネーミングとロゴにより、この取り組みに対する想いを施設・テナント・従業員の皆さまに共有することができたと思います。

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取り組みのポイント② 従業員にやさしい:クリエイティビティ

少子化も含め商業施設の従業員確保の問題からES(従業員満足度)向上は重要課題で、これはCS(顧客満足度)にもつながるポイントです。
今まで地下への暗く長い道のりを行き来する行為は働く時間の中でも前向きで楽しいものでは無かったと思います。
そんな面倒くさい気持ちを、楽しく、前向きに変えるために、イラストを多様したインフォグラフィックスの手法を採用。「一目で理解できるサイン」「楽しい誘導」「分別したゴミがリサイクルで何に生まれ変わるか」を視覚化し、ポジティブな行為=満足度UPを実現しました。
また、このインフォグラフィック環境は、リサイクルの学びの場として、地域の小学生が授業見学に訪れるという「発信の場」としての価値も生まれました。
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取り組みのポイント③ 地域との共創:地元アーティストとの協業

この取り組みを駅前施設から地域に発信するため、地元で活動されているアーティストに参加していただきました。
先ほどのサイングラフィックと一緒に、川崎市在住アーティストのオキ・ジュンコさんによるカラフルで優しいタッチのイラストを、無機質で冷たい印象だった通路、庫内壁面に手描きでペイントをしたことで、暗く汚い印象の庫内は、明るく楽し気な空間に生まれ変わり、ゴミを捨てに行くという作業も、ちょっとしたプチアトラクションになったと思います。オキさんからは地元の施設ということで、思いを込めて作り上げることができたと言っていただけました。

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改装後の利用者の反応

改装前のリサーチでは「分別の仕方が多くわかりづらい、ルールがわかりにくい、暗くて汚いし怖い…」、のような利用者の声がありました。
それがリニューアル後には、「明るくて使いやすい!来るのが楽しいわ、こんなゴミ置き場初めて、分別方法がわかりやすくなって嬉しい!」など、ポジティブなご意見をたくさんいただくことができました。
発信性の高い取り組みをしたことにより、地元の新聞やラジオ等メディアで多く取り上げられ、川崎市や社団法人で開催された環境保全の催しにて、表彰もされました。

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担当者からのコメント

もともとゴミ置き場として暗くて汚い場所を、ネーミングや環境の改善をしたことで、働く従業員さんのモチベーションにもつながり、リサイクル率の向上という形で地球にもやさしいことができました。昨今SDGsやカーボンニュートラルなど環境に優しい取組が盛んに行われている中で、他で行われていない新しいジャンルでの評価は、まだデザイナーとして新人だった私にはとても大きな経験となりました。
ゴミ置き場の改善というジャンルはまだまだ世の中に浸透していない、見落としがちな視点かと思います。この記事をご覧いただき、世の中にこの取り組みが広がればと願います。

eco2.jpg(左から)エイムクリエイツ プロダクト2部 滝本、デザイン部 福原、デザイナー オキ・ジュンコさん、みぞのくち新都市株式会社 若林さん、みぞのくち新都市株式会社 齊藤さん


担当者:デザイン部 福原 

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