「地球にやさしい施工方法の開発」サステナブルビジネス推進プロジェクトの取り組み

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「地球にやさしい施工方法の開発」 サステナブルビジネス推進プロジェクトの取り組み

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「地球にやさしい施工方法の開発」 サステナブルビジネス推進プロジェクトの取り組み

概要

2019年5月。私たちエイムクリエイツは住友林業との業務提携契約を結びました。その後両社の強みを活かし、サステナブルな事業展開を考える新たなプロジェクトが発足。公募により選ばれたメンバーで、21年4月~本格的に活動がスタート。昨年エイムクリエイツ本社内に設置した、木質化の実証実験の取り組みに関して、プロジェクトメンバーの皆さんから話を聞きました。

Q.廣坂さんはプロジェクト発足前から今回の取り組みに関わってきましたが、プロジェクトの立ち上げにどういう思いがあったのでしょう?

(廣坂)私が入社したのは年間の新規オープン商業施設が100に迫る勢いの開店ラッシュの頃で、数多くの商業施設や店舗をつくる事でクライアントや施設に訪れるお客様に喜んでもらう事が私たちのやりがいでした。しかし、年々ESGや環境問題への社会的意識が高まった事や住友林業との業務提携が発表されたことで、おのずと私たちの仕事や内装事業の今までの常識に疑問をもった事が、プロジェクト立ち上げのきっかけでした。

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開口部等の検証を行ったカウンター空間
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独立した半個室空間をイメージしたタマゴ型形状
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天井への持ち出し方や強度検証を行った空間

Q.社内公募でメンバーが選ばれました。みなさんはどんな思いでプロジェクトの参加を希望したのでしょうか?

(岡本)内装事業はとても環境負荷の大きい事業であり、多くの社会課題を抱えています。サステナブルな社会の実現において、内装事業はどうあるべきか、そして丸井グループが目指す共創の理念を、私たち自身でどう実現していくのか、常々考えていました。プロジェクトの公募は、ちょうど住友林業との業務提携時期とも重なり、チャレンジするなら今しかないと思い希望しました。

(寺田)募集の際に「内装分野では鉄骨や石膏ボード等を使用した改装工事を3~5年サイクルで繰り返す等、環境負荷低減への取組みが遅れている」との課題が提示されたのですが、20年近くこの業界に携わってきた私自身も、まったく同じ感覚を持っていました。このプロジェクトは、造る内装業から、社会課題の解決ができる内装業に変えて行けるチャンスなのではないかと思い、是非参加したいと思いました。


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左から:寺田さん、廣坂さん、森田さん、岡本さん、水谷さん、宗形さん

Q.プロジェクトでは様々な取り組みを検討してきたかと思いますが、今回の実証実験に至る経緯を教えてください。

(岡本)プロジェクトでは「地球に還す内装業」をテーマに掲げ、廃棄物をなくす内装事業を考えられないかと検討を繰り返してきました。なかでも「捨てない」「再利用できる」ということにフォーカスをあてたことで、「木質モジュール化」というアイデアに辿り着き、実証実験を行うことにしました。

サイネージ担当者
組み木と木ネジを使用した接合部
サイネージ担当者2
住友林業からトレーサビリティーが明らかな合板木材を調達

Q.廣坂さんはデザイナーですが、今回の実証実験どのようなところにやりがいを感じてデザインしたのでしょうか?

(廣坂)今回の実証実験は、VUILD株式会社様との協業で完成に至りました。アーキテクトの長岡様との無数のアイデア出しから始まり、3D技術とCNCルーターを用いた、デジタルファブリケーションの新たな手法を取り入れながら構築していきましたので、デザイン・設計するという一連のプロセスも大きく変わりました。今までのやり方との違いに戸惑いながらも、感覚的に形状やスケール感をデザインできる事に、とてもやりがいを感じました。

Q.水谷さんは今まで多くの現場を経験してきたと思いますが、今回の実証を行ってみて、新たに発見したことなどはありますか?

(水谷)強度を保ちながら相欠き・楔打ちで構造体を作り上げていく中、ビシビシと寸法通り組立が進む様は圧巻でした。そして最終的に、施工過程でゴミが殆ど出ず、廃材費の節約にもつながるとわかった事は、実際にやってみたからこそ、改めて気づかされた大きな成果だと思っています。

水谷さん

Q.住友林業から出向している森田さんには、今回のプロジェクトの取り組みはどのように映りましたか?

(森田)住友林業も、森林管理や木造建築などの事業を通じて、脱炭素社会の実現に向けて貢献していくよう進めています。そこにディスプレイ業界からもアプローチしていく今回の取組みは、表面的なものではなく「地球に還す内装業」とは何か?を真剣に考えていく過程で作り上げられているものだと感じています。プロジェクトを中心として、住友林業とエイムクリエイツが協業したからこ創出できる、新たな強みに繋がるのではと期待を持っています。

Q.実証実験での取り組みは、今後どのように活かせるとお考えですか?

(寺田)今回の実証実験は小さな一歩で、在来の内装工法や材料がすぐに大きく変わることは無いかもしれません。ただ、木材を使ったデザインやリユース可能な構造によって、空間を内装改修にたよらず、新たな価値に変わる可能性を大きく感じています。弊社へ来訪される皆様から、木材活用とデザイン面でサステナビリティを実感するとご好評いただいていますので、使用用途や場所を限定することなく、様々な可能性を追求していきたいと思います。

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Q.最後に今後のプロジェクトの活動方針をお聞かせください

(宗形)私たちのプロジェクトでは、木を活かした循環型空間プロデュースの実現で、「地球に還す内装業」を目指し、やがてディスプレイ業界全体が大きく変わっていくことを理想としています。実現化に向けては、今後より多くの方々との共創活動を行うことで、アイデアの広がりや知見を吸収しサーキュラーエコノミーを実現したいと思っております。ご興味のある方々に、是非、ご参画をお願いいたします!

プロジェクト:地球にやさしい施工方法の開発
所在地:東京都中野区 エイムクリエイツ本社
オープン:2021年4月
事業主:株式会社 エイムクリエイツ(サステナブルビジネス推進プロジェクト)

木材調達/アドバイス:住友林業株式会社
クリエイティブパートナー:VUILD株式会社
VUILD株式会社はデジタルテクノロジーを起点とした3つの事業を通して建築産業の変革を目指す会社です。
URL: https://vuild.co.jp 

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